改めて、
マーケティングとはどういうことだろう。
その意味をどれだけの人が知っているのだろう。
マーケティングの実務家だから、そしてビジネススクールでマーケティング理論を学んだからわかる答えなのではないだろうか。
そんな思いで、北海道大学大学院工学研究院生を対象とした「マーケティングとはナンだ!」をテーマにした講義を進めたのです。
対象者は理系の修士と博士過程を学ぶ12名の学生に90分、2コマの計180分を講義するわけですから、それなりの資料を作って準備したわけです。
資料枚数は75枚。
そのうち、マーケティング事例は4つとし、講義を進めながら時間によってその事例を最低2つだけは紹介しようというシナリオを描いてスタート。
また、マーケティングと言えども理論を180分の中で詰め込むことは不可能なため、量より質、そして記録よりも記憶してもらうための講義内容としたのです。
ですから、事例を使って2つのワークショップを行ない、議論することで記憶に残ればいいー
そのうえで、伝えたいことは2つとしたのです。
それは私なりにマーケティングの実践を行なってきた中で重要となるキーワードです。
1.市場を観ることの重要性
2.購入者(センターピン)を探せ!

マーケティングを理解してもらうためには事実の実践事例を紹介しながら、以下の思考を働かすことです。
1.何故その戦略を思いついたのか(仮説)
2.その戦略は正しかったのか(実行)
3.その結果、どのような効果が生まれたのか(検証)
したがって、実践事例を紹介したうえで、問題を定義し、グループでディスカッションすることでマーケティングというものを記憶に残らせることができたらな^-という期待を込めて講義を進めていったのです。
また、紹介した実践事例は以下のものです。
この事例は30年前に実践した事例を事実に基づき、面白おかしくマーケティングの醍醐味を伝えたいと考えたものです。
これは起業後に作った資料であり、多くのセミナーや勉強会で活用しましたが、これほどマーケティングというものを理解しやすい事例はないという自信作です。
現在の4K・8Kテレビの黎明期である世界初ハイビジョンテレビの販売ノウハウですが、あれからもう30年も経つわけです。
ある人は「古いなー」と思われるかもしれませんが、これほどマーケティングスキルを理解できる事例はないと自負します。
そして、もう1点の事例は起業後の実践事例です。
2.太陽光発電事業で実践したマーケティング戦略【知識・人材・顧客・資金ゼロからの挑戦】
起業後10年間の中で実践してきた太陽光事業は知識も人材も顧客も、そして資金もゼロの中、戦略だけで事業を構築したわけですが、そのプロセスそのものもマーケティングでした。
これも講義の2つの目的である「市場を観る」「センターピンは誰だ」を明らかにする最高の事例と自負できます。
その理由は自ら戦略を作り、実践し、事業の流れを掌握して企業経営を進めてきたからです。
「これほど説得力のある事例はない!」
講義を進めなら、再度その事例の重要度を確認することができたのです。
そのため、学生に事例を語りながら、2つの目的を探し出すことがワークショップの課題にするとディスカスがスムースに行くと考えたのですが、それは思惑通りの結果のようでした。
その目的は2つです。
1.私の講義の満足度(5段階評価)
2.マーケティング講義の感想文(質問を含む)
2つの質問ともに、講義の目的であった「記録よりも記憶」であり、その思いが私の評価点になるだろうと考えたからです。
その結果は5が10名、4が2名でしたが、評価点を率直に低く付けることはできなかったのかもしれません。
但し、各自のレポートはそれなりの満足度を感じるコメントが多く、そしてもっと知りたいというコメントが多かったことも一つの満足度と感じたのです。
また、質問も多く、その多くは社会人になったときの実務とマーケティングの融合を関連性を想像したものがほとんどでした。
1年1コマの非常勤講師の役割は無事に終了することができましたが、私としても大変楽しかった講義でした。
そして、最後の皆様へマーケティングのまとめをお伝えしたいと思います。
1.市場の変化を察知せよ!
2.商品の価値を売れ!
3.商品を売るな!体感を売れ!
マーケティング理論をすべて実践で使おうとしてもプロフェッショナルでなければ応用できません。
しかし、この3つは経営者や管理職、そして営業マン、尚且つあらゆる業種に関連するマーケティングの基本となる三原則です。
そのため、上記の三原則をマーケティングの肝として記憶し、実践することです。
補足するならば、現在の市場を見つめ、これからの変化を考えることであり、その変化に対応した商品の価値を探すことです。
そのうえで、戦略まで落とし込み、仮説の元に自ら体感してみることです。
その体感によって、自分自身が納得できたとしたら、そのビジネスの成功の確率は高くなります。
ただがむしゃらに進むのであれば、最低でもマーケティングの三原則を実践してみることです。
それがマーケティングの面白さであり、私自身の経験から生まれたものとして提示します。
その経験則を北海道大学大学院工学研究院の学生の皆さんのお伝えしてきたのですが、たいへん楽しい講義でした。
ありがとうございました!kom
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